JA信州諏訪管内で4月17日、宿根スターチス「サマーチェリー」の出荷が始まりました。生産量は県下トップクラスで、全国でも有数の産地。黄色や淡ベージュ、ピンクなど色とりどりのサマーチェリーが栽培されています。6月上旬に出荷最盛期を迎え、11月下旬まで全国各地に届けられます。
宿根スターチスは、一般的には通称「チェリーブロッサム」と呼ばれていますが、管内では古くから「サマーチェリー」の名称で出荷し、JAの重要品目の一つとして位置付けています。2024年度は、茅野市・原村・富士見町で36人が栽培。連作障害に強く、ロスが少ないため、年々作付面積が増えています。
JA花き専門委員会スターチス部会副部会長の矢﨑大地さん(36)は、茅野市の花き農家に生まれ、2018年に就農。サマーチェリーは、トルコギキョウの連作障害等の対策として先輩農家からのすすめで栽培を始め、今年で4年目。今年度は、ハウス3棟(8アール)で9品種を出荷する計画です。
この日は、同市のJA南部センターに栽培品種のひとつで、濃い黄色の「山吹」5ケース(1ケース30~50本)を持ち込みました。「例年は5月から出荷が始まる品種だが今年は早く花がつき、ボリュームがあり品質よく仕上がった(矢﨑さん)」といいます。
3月の低温を受け、株が凍らないようハウス内を暖房で暖めるなどして対応。毎日ハウスに入り、丈が伸びた分フラワーネットを調整し、枝の絡みや病害虫の発生がないかなどこまめに確認することで、品質を高めています。
「昨年9月に定植し、長い管理期間を経ての出荷なのでとてもうれしい。信州諏訪のサマーチェリーは冷涼な気候を生かし、色鮮やかで花持ちがよいのが魅力。ドライフラワーにすれば1年中飾れるので、ぜひ多くの人に手に取っていただきたい」と話しています。
出荷が始まったサマーチェリー「山吹」の生育を確認する矢﨑さん
原村営農センター花き共選所で「サマーチェリー」の集荷を行う職員